経営理念

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経営理念 全スタッフの物心両面の幸福を追求するとともに、清潔・安心・快適な温もりあるサービスの提供を通じ、お客様の人生と地球の未来に貢献し続けます。

経営理念作成への思い

変更に至る思い

以前の経営理念は、私が社長に就任する前の2008年に作成しました。それまでの経営理念は、先代である私の父が掲げていたものでした。社長になる前から、経営理念を作成し、さらにこれに変えたいという私の思いを汲んでくれた父には、今更ながらに感謝するとともに器の大きさに敬服します。

その時に作成した理念は「何のために経営をしているのか?」という問いかけに対しての答えを言葉に表したものでした。それはすなわち、「クリーニングという仕事への誇り=ファッション・ケア」「より多くの人にサービスを提供したい=お客様の人生に笑顔を生み出す」「それに協力してくれるスタッフを幸せにしたい=志村人の人生を豊かにする」という思いでした。

それから10年以上がたち、提供するサービスの幅が広がり、お客様の数や店舗も増え、ともに働く仲間が増えたことは理念に向けて仲間とともに前進できていたことの証だと思っています。

しかし、新型コロナウィルスによる生活様式の激変は、クリーニング業界に多大な影響を与えました。
私たちの業界の多くの企業の収益源が「ビジネスウェアのメンテナンス」です。それが、コロナ前に比べて20~50%減少してしまうような状態になりました。さらに、これが一時的なものなのか?恒久的な変化なのか?それを見通したときに、生活様式の変化によって大手紳士服販売店やアパレルメーカーの業績が軒並み悪化し、大量閉店しているところを見ると見通しは明るくないな。と、判断せざるをえませんでした。

私の座右の銘として「強い者、賢い者が生き残るのではない。変化できる者が生き残る」を、意識しています。今、わが社だけでなく日本中のクリーニング業者が「時代変化への適合」を模索しています。
ある企業はECサイトを立ち上げました。
ある企業は飲食業への進出を試みています。
ある企業は別のサービス業のフランチャイジーとして事業の幅を広げるチャレンジをしています。

クリーニング志村 本店

私も何か新しいことをしなければならない。そんな思いに駆られながら過ごしてきましたが、すべては小手先のことでしかありませんでした。なぜなら、企業としての方向性の枠を理念で決めてしまっていたから。

新サービスの開発というレベルではない、抜本的な事業を再構築していくためには既存の理念を変更していかなければならない。そのうえで、自社の強みや弱みをしっかりと見つめなおし、時代変化に適合できる企業づくりをしていこう。その思いから理念を作り替えることを決心しました。

変わらない思い

新たな経営理念を作成するにあたり、自分の中で何を大切にしているのか?それを考えてみました。

  • ともに働いてくれている人たちが、仕事を通して人間的に成長したり生活が豊かになること。
  • 地域に必要とされる仕事を、人の手を通して提供すること。
  • 自社の事業を通し、環境負荷を少しでも減らし、持続可能な社会の実現に貢献すること。

このような思いは、以前と変わらず持ち続けていることを自分の中で確認しました。

会社の中の変わらなければならない部分

では、何を変えなければならないのか?
私の中で大きく2つありました。

  1. 「ファッション・ケア」という造語を自ら作り事業領域の定義にしていたが、自社の強みをもう少し俯瞰して事業領域を広めていく必要がある。
  2. 「志村人(しむらびと)」という造語を作り、「会社にかかわってくれる人たち」と定義していたが、これをより「スタッフへの思い」であるとメッセージづけるために言葉を変えること。

この2つがありました。

自分で作った言葉を変えるということはとてもつらいことです。

ファッショケアに関して言えば、クリーニングという仕事に誇りを持ちたいという思いがあって生み出した言葉でしたし、自分たちが得意としている分野を極めていきたいという思いもありました。

志村人という言葉に関しても、愛着を持ってくれているスタッフがいることもあり、作ったことをうれしく思っていましたし、何のために自分がやってるのか?と、問われたら、一番に志村人を豊かにするためと即答できる言葉でした。

コロナ禍前の会社でのコンパ

けれど、時代が変わった今、なつかしさに浸っているわけにはいきません。
何十年後かに株式会社クリーニング志村という会社が存続し、「以前はクリーニング業が主体だった」と、今を振り替えられるようにしていかなければならないと思っています。

また、造語というのは解釈を一定化できません。誰がどう聞いても「あぁ、そうだよね」と思ってもらえる言葉で、理念をつくっていくことで、私は覚悟を見せたいと思いました。

新しい理念

全スタッフの物心両面の幸福を追求するとともに、
清潔・安心・快適な温もりあるサービスの提供を通じ、
お客様の人生と地球の未来に貢献し続けます。

理念に込めた思い

会社経営の目的を「全スタッフの物心両面の幸福の追求」と言い切りました。これが私の覚悟です。物心両面の幸福としたことは、人生を豊かにするためにはこの条件が絶対に必要だと考えたからです。経営は具体化。掲げることに弱腰になるのではなく、掲げたことで仲間を増やし、実現に向けて一丸になっていきたいと考えています。

目的を実現するための方法が「清潔・安心・快適な温もりあるサービスの提供」になります。クリーニングという得意分野はあるものの、自社の地域におけるイメージ・知名度等をいかしていったとき、もっと提供できるサービスの幅を広げるためにキーワードを掲げることで、事業領域を広めました。

また、AIやロボット化による効率化は絶対必要なことではありますが、私は人の手を介したサービスの提供にこだわっていきたいと思います。それには2つの理由があり、1つは、人の手を介すことこそが差異化であり強みであること。2つ目は、志村にかかわってくれている人たちの雇用を守るためにも、人の手が必要なサービスの提供が不可欠だからです。

これらのサービスを提供することが、地域の方々にとって喜ばれ、必要とされることを目指していきます。

クリーニング業は衣類をメンテナンスし、再使用する事業です。SDGsを昔から取り組んでいると言っても過言ではありません。そして今後は、事業運営で収益を取るか?環境を取るか?創意工夫を重ね、環境負荷低減を選択しながら、収益も確保していく。そうした事業選択をしていきたいと考えています。

私はクリーニングという仕事が好きですし、誇りを持っています。お預かりした商品をきれいにすること、効率的に業務を行うこと、それによって利用しやすい料金を実現しながら、お客様に喜んでいただくこと。どれをとっても楽しいです。

しかし、会社経営はそれとはまた別次元の事です。

私が強烈に覚えている映画のワンシーンがあります。Always 三丁目の夕日という映画で、昭和30年代の東京タワーが建設途中の時代背景の映画です。
電化製品が各家庭に徐々に普及していった時代の中で、主人公の家にもついに電気冷蔵庫が現れました。では、それまで食品をどうやって保存していたかというと、木箱の中に「氷屋さん」が持ってくる氷と一緒に食材を入れて保冷していました。
冷蔵庫の登場により、主人公たちはその便利さなどに喜んでいました。その陰で、木箱は処分され、氷屋さんから氷を購入する必要はなくなり、外で氷屋さんが哀愁漂う表情で主人公たちを眺めていた。そのシーンを私は強烈に覚えています。

どんな事業も時代の変化・テクノロジーの進歩によって消滅するリスクがある。そのシーンを見た私は「企業と事業は別物。事業に固執してはいけない。」そんなことを感じ取りました。

長々と理念への思いをつづらせていただきました。最後までお読みいただきありがとうございます。
今後の志村の成長を見守っていただければ幸いです。

株式会社クリーニング志村 代表取締役 志村優