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ドライクリーニングの豆知識⑥-2ドライ溶剤と水って何が違うの?【繊維に与える影響編】
みなさんこんにちは!
シミ抜きドクター 志村 優です。
前回、水と溶剤の性質の違いを溶けるものの違いで紹介しましたが、今回は「繊維に与える影響」をお伝えします。
どういうこと?という方。
これはもう、百聞は一見に如かず。ご覧ください。
いつものように水と溶剤を用意しました。
さらに手前にあるのはトイレットペーパーです。
まずは、水の中にトイレットペーパーを入れます!
ぐるぐる混ぜると…
繊維がほぐれて跡形もなくなりました。
トイレットペーパーは、ほぐれることで水洗トイレで流れやすくなるので普通の紙より繊維の結びつきが甘くなっています。その繊維の隙間に水が入り込んで膨張することで、このような現象が起こります。
水は、繊維の中に入り込むんですね。
では、同じように溶剤ではどうなるか?やってみます!
まぜまぜ・・・
さらにしつこく混ぜていくと…
なーんにも変わりません!
確かに液体(溶剤)を含んでいるんですが、水のようにふやけません。
さらに・・・
さくと「びりびり」とまるで濡れていないような音を立てて破れます。
これは、溶剤の分子が水の分子よりはるかに大きく、繊維の隙間に入り込めないから起きているといわれています。
これらの特徴があるので、ドライクリーニングでは、スーツやセーター、ネクタイやコートなどウール、シルク、カシミアなどデリケートな繊維をしっかり洗いあげることができます。
安心してお任せください。
昨今はマイクロプラスチック問題が取り上げられており、家庭洗濯においても化学繊維が排水中に流れ出ていることも海洋汚染の一因では?と言われているようです。
化学繊維は我々の生活になくてはならないものになってきていますが、今一度自然にある繊維(天然繊維)を大切に利用することも見直す時期なのかもしれません。