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志村のドライクリーニングのこだわり① 蒸留器を使用しています
みなさんこんにちは!
シミ抜きドクター 志村 優です。
さて、シリーズでやっていたドライクリーニングの特徴ですが、すっかりすっ飛ばしてしまいました。あかんですね…。
さて、タイトルの通りこれから数回に分けて「志村のドライクリーニングへのこだわり」をお伝えしていきたいと思います。
ドライクリーニングも家庭洗濯も、汚れが落ちる原理というのは、液体の中で洗われている商品についている汚れが「液体の中に溶け出る」ことで汚れが取れます。
家庭洗濯や我々プロのお湯洗いも、洗ったりすすいだりするたびに水をいったん捨てていますが、ドライクリーニングは使用する敵対が「溶剤」ですから、とても高価なので簡単に処分できませんし、そもそも環境によくないので下水に流すなんてことできません。
ではどうするか?
答えは「繰り返し使う」です!
ふーん、て思う方がほとんどだと思いますが、よくよく考えてみてください。
一度洗濯で使用した水を、今度はすすぎで使ったら…。ってか、それってすすいでなくない?洗剤の成分や、汚れの成分が溶け出た水ですすげるわけないじゃん!ってことになるわけです。
で、ドライクリーニングでも同じことが言えるのですが、ドライクリーニングの機械では溶剤を繰り返し使うことを前提に「フィルター」というものを循環工程に設置し、「濾過」して溶剤を再使用しています。
この濾過についてのこだわりもあるのですが、それはまた次回解説するとして、志村ではこの濾過だけに頼るクリーニング方法について疑問を感じています。
濾過とは、小学生で習った、でんぷんとか食塩水の濾過です!
ろ紙ででんぷんはこし取れたけど、食塩はそのまま素通りしてしまった。そんなことを勉強したかも…。という記憶ありませんか?
で、これを応用してもっとごつい原理がドライクリーニングの溶剤をきれいにする仕組みの中に組み込まれています。
けれども、上記の実験のように「濾過ではすべて取り除くことが難しい」ということは、小学生でもわかる内容です。
前にも書きましたが、汚れた溶剤で洗っても、きれいになるわけありません。
しかし!世の中にはよくわからないことがあります。
人の安全にかかわる仕事(例えば車の整備とか食べ物の残留農薬)には「基準」というものがあるのですが、クリーニングにはそういった物が一切ありません。あるのは、衛生基準にかかわる消毒方法のみで、それらは一般衣類には関係のない基準です。
だから、溶剤の汚れ具合はこれ以下でないといけないとか、このぐらいの時間洗わないといけないとかは無いんです。各社の個性の出しどころと言えば聞こえはいいですが、見えないところだから手を抜いちゃってもOKということもできてしまうわけです。
話が横道にそれてしまいましたが、志村ではそんな基準がない業界において、「自分たちの子供の洋服を安心して任せられる」という目線で品質づくりを行っています。
そのために、ドライクリーニング溶剤の「蒸留」という方法を実施しています。
やっとここから本日の本題「蒸留」について説明します。
こんな感じで、「食塩水の蒸留」という実験を子供のころ皆さんしませんでした?
ろ紙でこせなかった食塩も、蒸留なら水と食塩に分離できるというのが、この蒸留の結果でした。
私たちクリーニング業界においても、この食塩水を「使用済み洗浄液」に変えて熱を加えて蒸留し、「きれいな溶剤」のみを取り出してまた使用するという設備があります。
クリーニング志村では、この設備を全3工場に設置し、メーカー推奨回数よりも多い頻度で蒸留しています。
私も、自分の子供の洋服を自信をもって任せられます。お客さまにも安心してお任せいただければと思います。
私たちとしては「当たり前」の行為だったので、これが業界のスタンダードだと思っていましたが、クリーニング事業者に機械を納品している事業者さんの話だと、この設備を導入しているところは「ほとんどない。10%あるのかなぁ」というぐらいなのだそうです。
我々としては、蒸留器なくしてどうやって溶剤管理をするの?と、思ってしまいますがコストの面で考えると蒸留という行為は確かにお金がかかる管理です。
・初期費用 設備 数百万円
・ランニングコスト 蒸留にかかる光熱費、ロスする溶剤費、きれいな溶剤の洗浄力を保つための薬剤費、管理者の教育や作業費
などなど、かかります。
ところが、またここでクリーニング屋さんの不思議なところがあり、一般的には「手間がかかる=高価」なんですが、必ずしもそれが成り立たないんです…。
なので、作業工程についてお話ができるお店を信頼してご利用いただけたらと思います。