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【知っていておいてほしい知識】仕付け糸ってご存知ですか?これははずしてご着用ください。
みなさんこんにちは!
シミ抜きドクター 志村 優です。
皆さん「仕付け糸(しつけいと)」ってご存知ですか?
「仕付け」をするための糸ですが、仕付けとは衣類の折り目や縫い目を整えるために軽く縫う糸のことです。
値の張るものなどに使用されていることが多く、下の写真のようにスーツの裾のスリットなどによく利用されます。
手でりすっとの部分を持っているのですが、そこに1本だけ糸があります。これが仕付け糸です。
で、この存在をもともとご存知ない方もいらっしゃいますし、仕付け糸に「気づかずに」そのまま着用されている方もいらっしゃいます。
例えばこちらの商品は、片側は仕付け糸が切られていますが、片側は仕付けされたままです。
何かのはずみに仕付け糸が片側だけ切れたようです。
切れているほうを見ると、仕付け糸の残骸が…。
この仕付け糸ですが、お客様が購入されるその時まで形を崩したくないという販売店側の意図があると思いますし、
しつけは手がかかる作業ですから「手をかけてますよ」ということを暗に意味してもいると思います。
販売店さん側も「着用前に仕付けはお取りください」とアナウンスされていることも多いと思うのですが、
買ってすぐ着ないってことも往々にあって、うっかり忘れたままになっていることもあるようです。
多い日は100点お仕上げしている間に2,3点遭遇します。
つまり30人いたら1人は取り忘れている可能性があります!結構な割合ですよ、これは!
こんな感じのウールのコートの裾にも使用されていたりします。
多くはこんな感じでベント(スリット)に使用されています。Zだったり✖だったり縫い方はそれぞれです。
これは、躊躇なく切ってしまってください!
これはデザインでも何でもありません!切って着るものです!
とか、偉そうに言っている私ですが、前回の袖口のラベル同様4,5年前になって知った知識です(;´・ω・)
仕付け糸が厄介なのはほとんどが「後ろ側の部分」に使用されているのです。
だから、着ているときのシルエットが変になってしまっても本人は気が付かないのです( ノД`)シクシク…
クリーニングが終わった商品をチェックしてみてください。意外に取り忘れているものがあるかもしれません!
そして、スリットに多いと言いましたが、先日こんなものも見かけました。
ラペルのフラワーホールに仕付け糸です。
お気を付けください。
それと、そんな取ったらいいもの志村でとってくれればいいじゃん!というお声もあるかと思いますが、
お客様が仕付けされていることを承知してクリーニングされる場合もあります。
例えば販売する商品であったり、オークションへの出品のためなど最近は多岐にわたります。
その都度ご確認は難しいので「あるがまま」でお返しさせて戴ております。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
仕付け糸かどうか不安な時はぜひ店頭スタッフまでお声がけください。
クリーニング志村にはCA(クリーニングアドバイザー)やCAA(クリーニングアシスタントアドバイザー)が多数在籍しております。
お客様のご質問に真摯にお答えいたします。